年度末を迎えて、各自治体で地方版総合戦略(都道府県まち・ひと・しごと創生総合戦略及び市町村まち・ひと・しごと創生総合戦略)の策定が終盤を迎えているようです。
地方版総合戦略は、法によって策定に努めなければならないものとされており、国からの指示によって遅くとも平成27年度中には、策定して欲しいと云う通知が出されているためです。
この通知では、「地方人口ビジョン」と「地方版総合戦略」を策定して欲しい事、人口ビジョンについては、現状分析と将来展望を検討する事、地方版総合戦略については、対象期間を平成27〜31年度として、施策の基本的方向、具体的な施策と客観的な指標を設定し、客観的な効果検証をするものとされています。
ここまで状況を理解した上で、世の中熱い議論が飛び交っているだろう事を期待して、インターネットを覗いて見たのですが、この問題に関して余り熱気が感じられません。何故なのでしょうか。先日の「保育園落ちた、日本死ね」のような本気の問題提起も見つかりませんでした。
以下は、自分の街だけでなく、隣の街も、その隣の街も同じ国の通知に従った戦略を策定している状況を見ての私のやぶにらみの感想です。
*社会増減人口について、どんな戦略を描いてみても結局はゼロサムゲームにしかならないのではないでしょうか。
*個別市町村に対してまで戦略計画の仕様を準備して策定させるのが、本来的に国がやるべき事なのでしょうか。
*今、社会が劣化しつつあると感じている人が、急激に増加して来ているように思われます。国がやるべきなのは、社会の劣化を防ぎ、安心して生活できる基盤的な条件を整える事で、それは個別市町村にお任せする人口ビジョンや5年間の総合戦略とは違うような気がします。
国民に安心感・安定感を与える政治思想とはどんなものなのでしょうか。一部の人が主張しているような互酬性のエリアを拡げる事なのでしょうか。
(2016.3.19)
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