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組合や組合メンバーの活動ご紹介、メンバーが出合ったちょっと役に立つ情報や気になること、あるいは日頃の活動の中で感じた独り言などなど、書きとめておきたいことをランダムにレポートします。
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「地方版総合戦略」
 年度末を迎えて、各自治体で地方版総合戦略(都道府県まち・ひと・しごと創生総合戦略及び市町村まち・ひと・しごと創生総合戦略)の策定が終盤を迎えているようです。
 地方版総合戦略は、法によって策定に努めなければならないものとされており、国からの指示によって遅くとも平成27年度中には、策定して欲しいと云う通知が出されているためです。
 この通知では、「地方人口ビジョン」と「地方版総合戦略」を策定して欲しい事、人口ビジョンについては、現状分析と将来展望を検討する事、地方版総合戦略については、対象期間を平成27〜31年度として、施策の基本的方向、具体的な施策と客観的な指標を設定し、客観的な効果検証をするものとされています。
 ここまで状況を理解した上で、世の中熱い議論が飛び交っているだろう事を期待して、インターネットを覗いて見たのですが、この問題に関して余り熱気が感じられません。何故なのでしょうか。先日の「保育園落ちた、日本死ね」のような本気の問題提起も見つかりませんでした。
 以下は、自分の街だけでなく、隣の街も、その隣の街も同じ国の通知に従った戦略を策定している状況を見ての私のやぶにらみの感想です。
*社会増減人口について、どんな戦略を描いてみても結局はゼロサムゲームにしかならないのではないでしょうか。
*個別市町村に対してまで戦略計画の仕様を準備して策定させるのが、本来的に国がやるべき事なのでしょうか。
*今、社会が劣化しつつあると感じている人が、急激に増加して来ているように思われます。国がやるべきなのは、社会の劣化を防ぎ、安心して生活できる基盤的な条件を整える事で、それは個別市町村にお任せする人口ビジョンや5年間の総合戦略とは違うような気がします。
 国民に安心感・安定感を与える政治思想とはどんなものなのでしょうか。一部の人が主張しているような互酬性のエリアを拡げる事なのでしょうか。
(2016.3.19)
「道路空間の最適利用配分」
 先日、学会誌を覗いていたら、自転車通行空間の確保に向けた社会実験を行ったと云う記事が目に留まりました。
 内容は、@自転車の車道通行の促進及び歩道の歩行者の安全性向上のため法定外の矢羽根型路面表示による車道左端に自転車通行位置を明示、A停車車両と自転車の共存を図るため、自転車が停車車両を追い越す際の安全対策を想定した、全国初の矢羽根型路面表示を設置、B荷捌き等停車車両抑制に向け、地域と協働した道路の利用方法・ルール作りの検討、となっています。
 結果は概ね良好だったようですが、この社会実験には、現地での特殊な課題や道路交通法改正に伴う自転車走行ルールの不徹底などの対策以上に大きな背景があるような気がしてきました。
 爆発的に増加してきた自動車交通に対応する形で進められて来た交通政策は、少しずつ公共交通機関への誘導へ向けて軸足を移し始めているように思えます。
 公共交通機関への誘導は、まず鉄道へ、次いで鉄道を補完するバスへと向かいます。
 こうして、バス運行をスムーズにするためのさまざまな対策が取られ、定時運行の確保、自家用車からの転換が図られる事になります。
 一方、車道中心で整備されてきている道路で、環境問題、健康増進、安全意識の高まりなど様々な要因を背景にして、少しずつ歩行者路が見直されてくるようになって来ました。そして、単なる交通処理だけでない、ゆったりとした歩行者空間も見かけるようになっています。更に、この延長上に自転車交通のためのスペースを分離して確保すると云う動きが出てきており、レンタサイクルシステムの普及と相まって、かなりの急ピッチで整備が進められている印象をうけます。
 こうして、今後、歩行者、自転車、自動車それぞれのための空間をどれ位確保するのか、道路空間の最適利用配分をどうしたらよいのか等、道路と沿道の状況、位置的条件などを考慮しながら、検討する動きが増えて来るのではないでしょうか。
 従来は殆ど機能的視点からのみ利用配分が決められたケースが圧倒的だったでしょうが、今後は、特に自転車とバスについてのレクリエーション的利用の視点が重視されるようになるのではないかと私は思っています。
(2016.2.20)